総選挙
今日の衆議院総選挙は予想通り民主党の圧勝のようですね。
自民党はまさかというような大物議員が次々に負けてますが、私は、なるほど負けるというのはこういうことになるのかと、議席数という数字だけではわからない影響を、個々の選挙区の結果を見てようやく理解しはじめた状態です。
特に自民党にとって厳しいのは、次世代を担うホープが次々に負けていくことでしょうねえ。
まだまだ比例で復活するかもしれないけど、たとえば野田聖子、たとえば小池百合子、こういうところがどんどん負けていくと、麻生首相の後に新しい顔を立てようにも、後継候補が根こそぎ消えてしまっては自民党は簡単には復活できなくなってしまいますよねえ。
まあ、今回の選挙は解散前から見えてたわけですが、それが見えてなかったのは麻生さんだけでしょうね。
自民党がなぜ今回これほど負けたのか。それは争点を間違えているからだと思うんですよ。
今回、多くの人が失業やワーキングプアなどの問題で苦しんでいて、それがこの選挙の潮流となっているわけですが、麻生さんにはそれが景気のせいにしか見えてなかったんですよね。
でも、景気が悪いからってこの国が急に貧しくなったわけではないんですよ。この国は全体としてはまだ十分に豊かで国民の多くが路頭に迷わなきゃならないほど貧しくなってないんですよ。でも実際には多くの人が路頭に迷っている。なぜなのか、それは明白です。労働政策の失敗のせいなんですよ。つまりこの国には、今、平等さが足りないんですよ。それは景気対策じゃだめなんですよ。仮に景気が良くなったって、まず最初に良くなるのは金持ちで、貧乏人が豊かになるのは最後なんですよ。
戦後、自民党がなぜ長期間にわたって政権を維持できたのか。それは国民総中流社会を実現したからでしょう。自民党というのは所詮、農民・公務員・自営業者・中小企業が支持母体の政党なんですよ。
それを切り捨てるような政策をやれば、支持母体を失うのは当たり前です。
ばかばかしいことにそれが麻生さんにはわからない。
筑豊御三家に生まれて、若いころから経営者と政治家しかしたことのない麻生さんには、たぶん最後までわからないでしょうねえ。
8月31日追記:
文中で挙げた野田聖子氏、小池百合子氏は、最終的には比例で復活当選したんですねえ。
与謝野・町村・伊吹のベテラン各氏も復活当選しているし、中川・武部といった小泉政権の中心を担った人たちも復活当選している。
やっぱり、大物っていうのはぎりぎりのところで生き残れるから大物なんですね。
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