18きっぷの旅 その2 - 特急十津川バス
最初に宣言しておきます。今日の日記は非常に長いです。
さて、昨日、「青春18きっぷ」を持って自宅を出発し、横浜から12時間鉄道に揺られ紀伊半島の和歌山県新宮市までついたのですが、その旅の2日目です。
「18きっぷの旅」という題名ですが、実は今日と明日はJRに乗らないので、18きっぷは使いません。
今日の目的は奈良交通「特急十津川バス」の完全乗覇です。このバスは奈良県橿原市の八木駅から日本一広い村・十津川村を走り抜け、紀伊半島の反対側にある和歌山県新宮市まで走っている路線バスです。その道のりは168キロで、所要時間はなんと6時間30分に達します。昨日、横浜から名古屋まで普通列車を乗り継いでも僅か5時間半でついてしまったのに、1本のバスだけで6時間半。その所要時間の長さは高速を使わない路線バスとしては日本最長と言われています。
今日は新宮側からこのバスに乗って、反対側の八木駅を目指します。
新宮駅前はこの通りすばらしい天気。特急十津川バスは一日3本あって、新宮駅出発は5時台、7時台、10時台に一本ずつあります。
さすがに5時台のバスはつらいので、7:51発のバスで出発しました。乗っているお客さんは5人くらい。比較的若い年代の旅行客が多いのが意外でした。
新宮市の市街地はこのあたりではかなり広めの平地に広がってて、回りを崖に囲まれています。
バスは崖を貫くトンネルに入り、反対側に抜けると、あっと驚く風景が広がっていました。
トンネルを抜けて目の前に現れたのは、なだらかな谷いっぱいに広がって流れる雄大な熊野川の姿でした。
しばらくはゆったりとながれる熊野川を右手に見ながら、バスは広い国道を快走します。途中で川下りの遊覧船乗り場があったり、反対側に棚田が広がってたり、穏やかな風景が続きます。後で地図を見てみたら、熊野川は和歌山県と三重県の県境になっていて、対岸は三重県のようです。
やがて、川は二つに分かれます。右手は和歌山県の飛び地・北山村へと続いています。これもあとで地図を見てわかったのですが、北山村との間には奈良県の十津川村が2カ所ほど山を越えて川沿いまではみ出していて、このせいで北山村は飛び地になっているようです。このあたりは川沿いにしか道はないので、交通的には十津川村の山向こうまではみ出している地域の方がむしろ飛び地な気がします。
バスは左手の熊野川本流に沿って進んでいきます。谷の底の方はどんなにひろくてもこの通り川が全て占領しています。増水するとこの広い河原を川が埋め尽くすということでしょうか。熊野は雨の多いところとは聞いていましたが、とんでもない水量ですねえ。
ここまでバスは国道沿いを快走してきましたが、熊野本宮が近づいてくると、国道を離れ狭い道に入っていきます。
バスは狭い道を進みながらいくつかの温泉地を回っていきます。ときよりこんなジオラマみたいな集落を眼下にみながら進んでいきます。温泉地ごとにどんどん人が乗ってきて、だんだんとバスは混んできました。乗ってくる人はあいかわらず若い人が多い。外人さんもいる。これも熊野が世界遺産に指定された威力なんでしょうかねえ。
湯の峰温泉というところは、この写真の通り、すごい風情がある。大きなホテルなんかなくって、宿屋がぜんぶ古い日本建築でなかなかいい雰囲気でした。機会があったらここで降りてみたいですねえ。
熊野本宮大社が近づいてくると、巨大な鳥居が出現。本宮大社の回りは新しい建物が非常に多い。ちゃんと雰囲気を壊さないように木目の建物とかにはなっているのですが、大きくて新しい建物が多くって、最近つくったもののようです。これも世界遺産になった効果なんでしょうか。バスのお客さんも若い人はみんな本宮大社で降りてしまって、急にガラガラになりました。
熊野本宮を通り過ぎると再び国道に戻ってきます。ですが、もう国道の方もそんなに快調な道ではありません。とぎれとぎれに新道と旧道が混ざり合ってます。十津川村が近づいてくると、山が険しくなってきて、道もカーブがきつくなってきます。集落の棚田も写真の通り、凄い急勾配です。
十津川村に入るとダムが現れ、やがて十津川温泉に到着。
ここでバスは10分間の休憩です。ここまでの所要時間は2時間。
せっかくだから休憩の時間を利用して、バスから降りてみました。
ダム湖の反対側に見えるのが十津川温泉郷です。
ふたたびバスは出発して、30分ほどで十津川村役場のバス停に到着。
十津川村役場のそばには湯泉地(とうせんじ)温泉という温泉があります。
せっかくなので、ここで途中下車して、温泉につかってくることにします。
次のバスまでの時間は2時間あまり。
橋を渡ると滝が見えます。滝の上にある「滝の湯」という公衆温泉を目指します。
あらかじめ調べてみたら、十津川村には公衆温泉が沢山あるのですが、今日は火曜日で、火曜定休というところが多く、あと、午後から営業というところが多いんですよね。火曜の午前中から空いているところ探してここを見つけました。
「滝の湯」は今年リニューアルしたばかりで、非常にきれいです。
また、滝の上の沢に小さな滝がもう一つあって、なんと露天風呂がその横にありました。
滝を眺めながら風呂に入るなんて、風流でしたねえ。
ただ、難点は、露天風呂が建物からかなり下にあること。帰りの階段はちょっと息が切れます。しかも裸でここを歩きます。でも、ちゃんと回りからは見えなくなっているから大丈夫ですよ。
ちょっと硫黄のにおいがするかけ流しの温泉を堪能したので、橋を渡ってバス停に戻ります。
十津川村役場の回りには川沿いに4つの建物あって、一つは村役場で、残りは写真の右手から順番にホテル、道の駅、診療所と並んでいます。どの建物もかなり強引に立ってますよねえ。この辺て広い土地が少ないのがわかります。
道の駅にそば屋があったので、今日の昼食はそば。
再びバスに乗って出発。
十津川村では今日は夕方に祭があるらしい。祭の名前は「揺れ太鼓」。なんと吊り橋の上でいくつもの太鼓を叩くらしい。
バスは1時間ほどすすんだところで上野地というところに着き、ここで20分休憩とのことです。バス停のそばに吊り橋があるらしく、周囲では交通規制をやっていて、地元の人たちが誘導している。せっかくだから休憩時間を利用して吊り橋に行ってきました。
吊り橋から帰ってきてバスは出発。熊野川をさらの登っていくと、十津川村から五條市大塔町(旧大塔村)というところに入ります。
ここらへんの国道176号線は非常に細いところが多い。大型車がすれ違えないところも多いし、すれ違うどころかバスが徐行しないと通れないほど狭いところもある。
写真のようにあっちこっちで付け替えの道を作っているのですが、この道はあまりにも長いので、この辺で完成しているところはまだ僅かです。
大塔には野迫川村営バスの乗り場がありました。どうやら野迫川村にはここで乗り換えていくようです。十津川村の秘境さにビックリしているようではまだまだ甘いようです。世の中には更に乗り換えていかなきゃならないもっと凄い秘境村があるらしいですよ。
バスはこの後、とうとう熊野川から離れ、峠を越えて五條市西吉野町に入り、ここから山道を一気にくだって、五條到着。
五條はこの通り非常に開けています。ひさびさに広いところまで帰ってきました。
バスは五條バスターミナルで15分休憩。ここまでで乗車時間は5時間を越えました。
五條からは緩やかな丘陵に囲まれた谷を進んでいって、これまた緩やかな峠を越えるとそこは広大な奈良盆地が広がっています。
近鉄大和八木駅に到着したのはもう17時近く。ついに6時間半に及ぶ路線バスの旅は終わりました。
今日の宿は京都の京阪三条駅近くのホテルなので、近鉄橿原線・京都線で京都を目指します。
せっかくだから橿原線を全部乗ろうとおもって、橿原神宮までいって急行で折り返してきました。電車は郡山を過ぎるとあたりは何も見えなくなるぐらいの大雨。でも大和西大寺を過ぎる頃には雨は止み、晴れ間が見えてきて生駒山地をバックに奇麗な夕焼けが見えました。
でもちょうど夕方のラッシュ時間帯にかかる頃で、近鉄では写真は撮れずに、途中で京阪に乗り換え。
京阪の各駅停車はガラガラだったので、カメラで夕焼けを取ろうとしたのですが、京阪線は低いところを通っていて、シャッターチャンスが少なかった。この写真は数少ないチャンスに取ったものなんですが、カットした下の部分には墓地が映ってました(苦笑)。
夕方6時過ぎに京阪三条駅到着。ホテルにチェックインをすませて、食事場所を探します。
夕暮れの鴨川三条大橋は、京都らしい風情で賑やかです。
せっかく関西に来たのでお好み焼きを食べました。
ここのお好み焼き、大阪のものとはだいぶ違ってました。
小麦粉がかなり多めで、20分かけてふっくらと膨らませて焼き上げたものでした。
これがなかなかおいしいのですよ。この店は大当たりでした。
食事が終わって店を出ると、あたりはすっかり暗くなってます。
明日は京都をぶらつきます。
今日は長い話におつきあいいただきありがとうございました。
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