18きっぷの旅 その6 - しまなみサイクリング前編
今回も最初に宣言しておきます。今日はとんでもなく長いです。
相変わらず旅の途中です。昨日は広島泊。
今日は6時半に宿を出発して新幹線で福山へ、福山で今治行のバスに乗り換えて、西瀬戸自動車道・いわゆるしまなみ海道を縦断します。
しまなみ海道は過去に2回、自転車で通ったことがあるのですが、来島海峡大橋の区間を除いて、高速は通ったことがなかったので、今回初めて高速からの眺めをみました。
しまなみ海道は、尾道から新尾道大橋を越えて向島へ渡り、次に因島大橋を渡って因島、生口橋を渡って生口島、多々良大橋を渡って愛媛県に入り大三島、大三島橋を渡って伯方島、伯方橋と大島大橋の連続橋を渡って大島、そして最後に3つの吊り橋が連なる来島海峡大橋を渡って四国今治へと続いています。
この中で新尾道大橋だけ自転車・歩行者が通れないので、今回が初めてだったのですが、後の橋は過去に自転車や徒歩で全て通ったことがあります。でも橋の間の高速道路は取ったことがなくて、高速道路は島の丘の上を通っているので、非常に見晴らしがいい。
生口島は北岸が平で南岸が険しい島なのですが、高速道路は南岸の丘の上を通る。自転車ではいつも北岸の平らなところを走るので、この風景は初めてです。
そんな風景に見とれているうちに、一時間半で四国・今治に上陸。今治は郊外に沢山の中小規模の造船所があって、こんな感じの地区が多いんですよ。今治では造船所が密集している地区が沢山あるのですが、しまなみ海道の島々にも造船所が点在しています。瀬戸内海は内海なのでどこも波があまりないため、海全域が天然の良港状態なのです。船の建造はきっと材料を船で運ぶので、島だからといって不便ということはないようです。
バスの終点・今治桟橋に着いたのは9時半頃。下田水(しただみ)港行きのフェリーがタッチの差で出てしまい、一時間待ち。そういえば今日はまだ朝食を食べてなかったので、商店街を散策し、喫茶店でモーニングセットを食べました。
今治港からフェリーで大島の下田水港へ出発。しまなみ海道にはレンタサイクルのターミナルが各島に1・2カ所あって、乗り捨て可能なのでとても便利です。下田水港のそばにもレンタサイクルがあって、今治のよりも使いやすい場所にあるので、過去の1回目ではここで借り、2回目ではここで乗り捨てています。なぜ今治で借りて来島海峡大橋を通らないのかというと、理由は2つ。一つ目はこの橋の今治側の入り口が非常に遠いので不便。もうひとつは来島海峡大橋はとびきり高いところを6キロ以上も通っているので、登るのが大変だし、風が強いと長時間耐えるのが大変だからです。
ここは過去に歩いて渡ったこともあるので、パスします。
船は左手に橋を見ながら下田水港へ進みます。やっぱり、橋は下から見た方が奇麗だと思います。
11時、下田水港でマウンテンタイプの自転車を借り、3回目のしまなみ縦断の旅に出発です。せっかく早く出たのに、結局お昼近くなってしまいましたが、今日は2つ目の島の伯方島に宿を通っているので、余裕でしょう。尾道では向島の渡船乗り場の近くで乗り捨てようと思ったのですが、渡船乗り場の近くのレンタサイクルターミナルは廃止になってしまったそうで、尾道まで乗っていかなきゃならないそうです。渡船に自転車を載せるとちょっと高くなるのですけどねえ。といっても、数十円だけど。
今日は朝方はもやがかかったようなぼんやりとした天気だったのですが、この時間になると快晴になりました。これは暑さ対策が大変そうです。
来島大橋を横に見ながら、海岸沿いに出発。
過去2回では大島縦断は島の中央部を通る国道沿いのコースを通ったのですが、同じコースというのも面白くないので、今回は島の東側の海沿いを走る県道沿いに行ってみることにしました。海沿いの方が景色がきれいだし、それに中央部のコースはちょっと長めの坂道があるんですが、海沿いなら坂もなさそうですから。
走り出してみると海からの風がひんやりとして涼しく、これならなんとか暑さもしのげそうです。
海は青く、砂浜は白く、空も青くって、思わず自転車を止めてカメラのシャッターを切ってしまうような景色がつづきます。
今治市吉海町の中心街を過ぎると、ちょっと険しい山を横に見る海岸沿いの道が続きます。そしてしばらく進むと現れたのはこの坂。
海の近くだからって、坂がないだろうという甘い予想はあっさり打ち砕かれました。
汗だくになりながら坂を上っていくと、なぜか坂の上から涼しい風が吹き下ろしてきます。
坂の上から振り返ってみると、結構登ってきてますねえ。
風のおかげで多少楽に坂を上りきると、今度は当然のことながら下り坂。
一気にかけ下ると、そこはまた海岸。
大島は石の産地として有名らしくって、石屋さんが沢山あり、この写真の崖も石切り場です。
しばらく海岸線沿いに進むと、海の向こうに大三島橋が見えます。ということは今まで前に見えていた島は大三島だったようです。大三島のまでの間には伯方島があって、伯方橋と大島大橋という2本の橋があるはずなので、だいぶ右側を巡回しなきゃならないということみたいです。
ま、わざわざ遠回りの道を選んだんだから当然だが。
大島大橋がようやく見えてきました。右側の島は公園になっている小さな島で、その島の向こうに続けて伯方橋があって、その先が伯方島です。
ようやく大島大橋にたどりつきました。海峡の橋は下を船がとおるので、結構高いところにあるんですよねえ。大きな橋だと100メートル以上の高さにあるし、この大島大橋はどっちかというと小さめなんですが、それでも50メートルくらいの高さはあると思います。
だから、橋に登るのはちょっと大変。
でもなぜか、島の中の峠を越えるときよりは楽な気がするのは、橋に登る道がちゃんと自転車に合わせて作ってあるからなんですかねえ。
大島大橋と伯方橋の間の島は公園になっているので降りれます。
以前に来たときはここで降りて休憩したことがあるのですが、じつはこの先にもっとよい休憩ポイントがあるので、パスして進みます。
その休憩ポイントというのは伯方橋の眼下に見えるこの海水浴場。ここには道の駅があって、伯方の塩を使った料理やアイスクリームが食べられます。
というわけで、伯方島の道の駅で休憩。到着時刻13時。だいたい予想通りの時刻です。海水浴場のお客さんと自転車のお客さんでにぎわってます。
昼食は伯方の塩ラーメンとたこ飯。この後、伯方の塩ソフトを食べにいったら、売り切れて仕込み中だったので、かわりに伯方の塩シャーベットを食べてみました。別にしょっぱいわけではないですよ。塩がちょっと入っていると甘さが引き立つというやつです。スイカと一緒です。
さて、速くも今日の宿泊地・伯方島に到着してしまいましたが、さすがに早すぎます。そこで大三島橋を渡って、次の大三島を探検してくることにします。大三島はかなり大きな島で、ダムまであるらしいのですが、しまなみ海道は端を通っているだけで、大部分を通りません。でも橋の反対側には歴史ある大きな神社・大山祗神社というのがあって、ちゃんとサイクルロードが整備されているようです。
サイクルロードは大三島の北部をぐるっと回るように整備されているようなので、せっかくだから大三島の北部を一周してきましょう。
まずは多々良大橋の下までやってきました。ここまでは愛媛県今治市。この先は広島県尾道市。ちょっと前まで、一つの島が二つの自治体が分かれているところが多かったのですが、平成の大合併で、全部消えてしまいました。でもまだ、旧自治体名が地区名になっていて、道の駅や高速のバス停なんかも自治体ことに一つずつあって、旧自治体名が色濃く残っています。
多々良大橋を過ぎると間もなく、「大三島のみかんジュース」という看板がありました。暑くて汗をかきまくっていたので、ちょうど喉が渇いていたから飲んでみました。
なかなか濃厚な味でおいしかった。この日は結局自転車に乗っている間に2リッター以上の水分を取りましたが、ものすごい勢いで汗をかくので、それでも喉が渇いてました。
多々良大橋を過ぎてしばらく海岸沿いを進むとサイクルロードは左折して内陸部の坂を上り始めます。自動車の道路に比べると回り道をして勾配を押さえているし、ところどころ街路などで日陰になるように工夫しているところもあるのですが、なんせ真夏に快晴ですからとんでもなく暑い。しかもだらだらといつまでも続く上り坂。両腕はジリジルとした太陽で焦がされるような状態で、非常に苦しい。体力は全然問題ないのですが、力を込めると暑くて仕方がないから、だらだらと坂を上っていきました。
やがて峠をこえて下り坂になり、旧大三島町の中心街に入って、大山祗神社に到着。もう暑さでバテバテです。
大山祗神社はなんと伊予国一宮とのことで、非常に由緒正しいようです。一宮が離島にあるところって珍しいのではないのでしょうか。そういえば大三島はもともと御島と呼ばれていたという話を以前きいたことがあります。神社の島ということなんでしょう。
ご神木の木もこの通り、凄く立派です。
門をくぐると神社の本殿。たしかに立派な作りですねえ。
さて、さらにサイクリングロードは続きます。今度は海沿いの平坦な道で、海風もあって、さっきまでよりは快調ですが、時間的に暑さはピークで、やっぱりバテバテです。でも海の風景はこのとおり幻想的。
砂浜も海も美しい。そして砂浜にはだれも泳いでいる人はいない。たぶん、この浜はちゃんと海水浴場として整備されているところです。だって、ちゃんと浜に降りる広い階段が設定されているし、なによりもゴミがない。
どこまでも奇麗な海が続きます。ずっと続いてくれると良いのですが・・・
やがて恐れていたことがおきました。坂道です。しかも今度は勾配緩和しきれなくって、こんな階段を挟んでいるとびきりのやつです。
サイクルロードの坂道は県道から外れて、大自然の中に突っ込んでいきます。左手にはさっき通り過ぎた集落が眼下に見えるのですが、足を止めると、あっというまに虫の大群に襲われます。足下はなにやら植物の種が沢山くっつくし、しかも暑いし坂道だし、今日最悪の時間帯でした。
坂道を上りきると反対側の海が広がっています。ようやく虫たちとおさらばできるし、風をきって降りていけば暑さも一時的ではありますがしのげます。
下に降りると、この辺は海水浴場のようです。そもそもこのサイクルロードはこの海水浴場へ誘導する目的で作ってあるように見えます。でも遊んでいる人は非常にまばら。どうです、この海水浴場に遊びにいってみませんか?まるでプライベートビーチみたいに浜辺を独占できますよ。もちろん海の家はありませんが。
やがて、サイクルロードの終点に到着。この先を県道沿いに進むともとの場所に戻れます。
多々良大橋の下に戻ってきたときには16時をまわり、日が傾いてきた上にいわし雲がかぶさって薄日となり、海からの風もあるからだいぶ涼しくなりました。ようやく本気でこいでも暑さでバテない気候になったため、いっきにペースがあがります。大三島橋への坂道も楽勝で登りきり、気持ちよく坂を下ってたら、好事魔多し。木に覆われたカーブのところに湿った土がかぶさっていて、思いっきり後輪が滑り、こけてしまいました。左手の甲を擦りむいてしまって、ハンカチを当てたのですが、ちょっとしびれます。ブレーキはなんとかかけられるが、ギアチェンジがちょっと大変。
まあ、やがて血はとまって、しびれもなくなってきたし、トロトロ走って伯方島のスーパーで絆創膏を買って手当てして、無事に宿にたどり着きました。すぐに風呂にはって傷口をあらって絆創膏を貼り直したら、とりあえず大丈夫そうです。血染めのハンカチもすぐに洗ったら見た目は落ちてくれました。(科学捜査なら反応はでるだろうが)
でも今日は朝が早かったんでもう疲れました。今日は早いとこ寝て、明日は早く起きて、暑くなる前にできる限り距離を稼ごうと思います。
明日はしまなみ街道サイクリングの後半。実は一番の不安材料は天候。にわか雨が怖いですねえ。一応は雨具は用意していますが。