ドイツ・カードゲームの傑作、ドミニオンの新作・「ドミニオン:海辺」を入手したので、急遽友人2人を集めて3名で遊んでみました。3回ほどプレイしてみましたが、特徴的で役に立ったカードを6枚ほど紹介したいと思います。
まずは、今回始めて登場するオレンジ色の「持続カード」の中から「船着場」を紹介しましょう。
持続カードというのは、アクションとして使った後に、捨て札にならずに次のターンの最初まで脇に置かれ、次のターンの最初にさらなる効果を発揮するというカードです。この「船着場」の場合は、手札からアクションとして使用したターンに+2枚のカードを引いた上で、+1購入権を獲得するのですが、なんと次のターンにはアクションを消費することもなく、さらに+2枚のカードを引いた上で1枚余分にカードを購入できるというわけです。持続カードというのは次のターンにアクションを消費せずに発動するので、次のターンにさらに別のアクションを使って組み合わせることができるので、とってもお得です。このカードの場合、2ターンあわせると+1アクション、+4カードを引く、+2カード購入と同等の価値があるといえるでしょう。そう考えるととんでもなくお得なカードです。
今回出てきたカードのなかで、いちばん単純でユニークだったのはこの「密輸人」でしょう。前のプレイヤーが購入したものがコスト6以下だったら、このカードを出したプレイヤーも同じものをいただくことができるという便利なカードです。さらに通常の購入権も残っているので、とってもお得。だけど、「海辺」って持続カードのせいで、かなりインフレ傾向が強くって、結構前のプレイヤーにコスト8の「属州」を買われてしまうことが多くって、意外と発動できなくって悔しいケースが多いです。海辺以外のカードセットに入れれば、かなり強力なカードだと思います。
今回の「海辺」では-1点の呪いカードを配るカードとしてこの「海の妖婆」が登場します。このカードは、全員の山札の先頭を捨て札にして、呪いカードと取り替えるというちょっと困ったカードです。つまりこれを使うと他のプレイヤーの次の手札にかならず呪いカードが入るので、他プレイヤーの手札の効率が確実に低下することになってしまいます。そういう意味で、今で登場した呪い配布系のカードの中でいちばん陰湿な気がします。
このカードの弱点は、使ったプレイヤーが直接的には何にも役に立たないことですね。従来のカードセットに登場するカードだと「魔女」なら2枚カードが引けたし、「詐欺師」なら+2で買い物ができたけど、このカードは人にダメージを与えるだけで、自分にはなんの役にも立たない。強力な分だけ、この辺がハンディになっているようです。
「海の妖婆」に対抗するカードとして期待できるのはこの「引揚水夫」です。このカードはアップグレード系のカードでして、手元のカードを廃棄して、かわり同等のコストで買い物ができるというもので、しかも+1購入権がついてくるので単なるカードの交換として使用しても、さらに買い物ができるわけです。だから「呪い」(コスト0)を廃棄して、コスト+0のままで同じコスト0の銅貨と交換しつつ、他の財宝カードを使って別の買い物をするってこともできるわけです。
もちろん本来の使い方として、たとえばコスト5の「公領」(勝利得点3点)を廃棄して、これに財宝3を追加し、コスト8の「属州」(勝利得点6点)を購入するということもできるわけです。
「海辺」での特徴的なカードには、「持続カード」以外にも、専用のシートの上にカードやコインを乗せる3種類のカード(海賊・島・原住民の村)があります。その中で一番役に立ちそうなカードはこの「原住民の村」でした。このカードは山札から1枚を村シートに送り込むことができます。そのカードの中身はいつでも見て確認することができて、この「原住民の村」カードを使うたびに、村シート上にカードがたまっていきます。ある程度たまったところで、今度はこのカードを使用するときにカードを村シート上に送り込む代わりに村シート上に送り込んだカードを全部手札に加えて一気に使用することができます。つまりどんどんとカードを村シートにためていき、そのカードが有効に使えるタイミングで一気に使用することができるわけです。ただこのカードの問題は「海の妖婆」との相性の悪さですねえ。「海の妖婆」って山札の上に「呪い」を載せてしまうので、せっかく「原住民の村」を使っても、村シートに送り込まれるカードが「呪い」だってことになってしまうケースがかなりあります。でも「原住民の村」ってコストはわずか2だし、+2アクションがついてくるので、アクションの効果を無視しても十分に使えるカードですよ。
最後に紹介するのは「海辺」でもっともロマンにあふれるカード「宝の地図」です。このカード、1枚だけだと役に立たないのですが、2枚以上購入して、2枚が手札にそろうと、2枚とも廃棄することにより、なんと財宝3の価値がある金貨が4枚も手に入ります。しかもこの4枚の金貨は山札の一番上に置かれるので、次の手札5枚のうち4枚はこの金貨ということになります。つまり最低でも4×3で12の財宝が次の自分の手番にいきなり使えるわけです。でもねえ、このゲーム、一番コストの高いカードでも「属州」のコスト8なので、12もあっても多すぎます(笑)。無駄に財宝が手に入って使い切れないというとっても笑えるカードです。もちろんきりなおした後は金貨もバラけるだろうから普通に強力になりますが。
序盤にカードが少ないときに続けて2枚の「宝の地図」を買っておけば、結構簡単に手札に2枚揃うシチュエーションになるんじゃないかと思います。
今回は、6枚だけ紹介しましたが、「ドミニオン:海辺」にはユニークなカードが26種類も登場します。まだ私は3回遊んだだけなので、他にも有効なカードを見落としてるかもしれません。また、カードの組み合わせ次第では威力を発揮できるカードもあるかもしれません。皆さんも購入したら自分でいろいろとカードの使い方を研究すれば楽しいと思いますよ。
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