水曜日, 5月 19, 2010

南アフリカ

 もうすぐサッカーのワールドカップ南アフリカ大会が開催されます。
 それで、私も便乗してTokyo Railways 2用の追加マップ「南アフリカ」を作ろうと思ってるんですが、これが結構大変。

 まず、いい感じの鉄道路線図が見つかんない。豪華列車「ブルートレイン」の運行路線図はあるのですが、そんなの主要幹線でしか走ってない。それ以外の路線はどうも貨物中心のようで、大都市圏以外の路線図がみつかんないのですよね。
 それから、次に困っているのが南アフリカの一番小さい単位の自治体仕組みが都市と対応していない点。南アフリカの地方自治体は、州とその下の市からなっているらしいのですが、この「市」というのが普通の感覚の都市とは違うらしいのです。南アフリカは日本の3倍以上の面積の大きな国なので、「市」というのがかなり大きい。中国でも昇級市とか地級市とかはかなり大きい自治体で複数の市を下にもっているのですが、南アフリカの場合、この大きな「市」が最小の自治体単位のようで、実際の都市はその下に複数の地域として存在しているようなのです。大都市の場合、「市」の代わりに「都市圏」という名称で呼ばれているようです。たとえば首都のプレトリアの場合、プレトリアはただの地域名でツワネ市都市圏という自治体の一部なんですが、地図には都市名としてはプレトリアって書いてあるわけです。つまり都市と自治体が一致してない。

 この自治体の制度は2000年くらいに成立したみたいなのですが、この時にもうひとつわかりにくい制度をやってます。この制度が成立したとき、アパルトヘイトが終わって、南アフリカではもともとこの土地に住んでいてた黒人の民族運動が盛んみたいで、主要都市が欧風な名前で呼ばれているのに対して、新しくできた「市」は民族的な名前をつけたみたいなんですよね。だけど、地区名としての都市名は昔のまま読んでいる。だからプレトリアの場合、都市名はプレトリアなのに、自治体名はツワネなんです。こういうのがそこら中にある。ポート・エリザベスという都市は、ネルソン・マンデラ・ベイという自治体の一部だし、ダーバンという都市はエテクウィニという自治体の一部。もともと市域が広かった大都市のケープタウンとヨハネスブルグ以外はほとんどこんな調子。
 さらに面倒な場合があって、この「市」という単位の自治体に、部族の居留地みたいなやつが紛れ込んでいて、地域的に散らばってたりする場合がある。もうこうなると、都市の規模を把握するのに自治体の統計はそのままじゃ使えない。地図をみて、Wikipediaの説明文や歴史を読んで、ひとつずつどんな自治体か調査しないと判断出来ない。しかも日本語の情報なんか全然無いから、英語の情報を探すことになるが、それでも綺麗にまとまった数字が出てこない・・・

 都市以外の情報も欲しいと思って、他にもいろいろと南アフリカという国を調べてくると、ショッキングな話ばかり出てくる。日本の100倍を超える犯罪発生率。殺人と未遂を含めた数も100倍を超える。さらにエイズが蔓延していて、90年頃を境に、60歳以上あった平均寿命が40歳くらいまで激減。エイズの蔓延が若者の絶望を誘って犯罪に走らせている気がします。白人の流出も重なって、人口が停滞気味らしいのです。2008年は人口が減ったらしい。それも日本みたいな高齢化で減っているんじゃなくって、平均年齢が低下しながら減っていくんだよ。この社会は怖いよ、恐怖だよ。

 うーん、なんというかずいぶんと難しい国の追加マップに手をつけちゃったと後悔しているところです。
 まあ、遠くから情報を集めているだけの私は、ゆっくりと片付ければいいだけなんだけど、来月、こんな怖い社会の国に乗り込むサッカーファンのみなさん、命だけは気をつけてください。

 そんな感じでマップ制作をやってます。

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